シフォンケーキを焼く日は、朝から少しだけ心が引き締まります。
メレンゲの状態ひとつで仕上がりが変わる、繊細なお菓子。
でも、米粉を使って焼き上げるシフォンは、小麦粉にはない「シュワッ」とした独特の口どけと、
驚くほどのもっちり感があるんです。
この食感を知ってから、我が家のシフォンはすっかり米粉が定番になりました。
米粉シフォンの魅力は、なんといってもその「軽さ」です。
小麦粉よりも粒子が細かいためか、生地がよりきめ細かく仕上がり、
口に入れた瞬間に淡雪のように消えていく。
それなのに、噛むと弾力があって「お米の力」を感じる……。
この不思議なバランスが、私を虜にしてやみません。
私のこだわりは、メレンゲを作る工程にあります。
ツノがピンと立ちつつも、表面にシルクのような光沢がある。
そんな理想の状態を目指して、ボウルを冷やしながら丁寧に泡立てます。
そして、真っ白なメレンゲと米粉の卵黄生地を合わせる瞬間。
泡を消さないように、でもムラがないように。
ヘラを動かすたびに生地が空気を抱き込んで、ふんわりと膨らんでいく様子は、
何度見ても魔法を見ているような気分になります。
焼き上がった後、逆さまにして冷ます時間。
待ちきれなくて何度もキッチンを覗き込んでしまいます。
完全に冷めてから型から外し、手でそっと押すと「しゅわっ」と音がする。
その一切れを頬張る瞬間、口いっぱいに広がる卵の風味と優しい甘さに、
心までふんわりと軽くなる気がします。